ドーナツの穴

かたちはない でもそこにある

欲しかった椅子を買った

 

ずっと欲しかった椅子がうちにやってきた。

飛騨高山の家具メーカー、柏木工のクラウンチェアとシビルチェア。

何かを成し遂げたわけでも誕生日でもないけれど、数年越しの思いを抑えきれず贅沢をしてしまった。

 

小心者なので、たまにこういう贅沢をするとなぜか悪いことをしているような気分になる。

でもこの素晴らしい椅子が自分の家に存在することが毎日本当にうれしいし、来るべくしてやってきてくれたのだと思えるようになった。

 

視界に入るたびに惚れ惚れする曲線の美しさ。

床に跪いて座面のくぼみを手でさすると、なめらかな肌触りと木の温かみにうっとりする。

座り心地も大変にすばらしく、わたしの尻と腰と太ももを採寸して作ったのかと思うほどフィットするから驚く。

硬い木の椅子なはずなのに、クッションで包み込まれたように感触がやさしくて柔らかい。

すばらしい職人さんの技術。

 

これから使い込んでいくうちにもっと深みのある風合いになっていくんだろうな。

うずめが毎日アーム部分に頭を必死にこすりつけているから、徐々に丸みを帯びていくことでしょう。その経年変化も楽しみながら、一生大切に使っていこう。

心まで満たされる、とても良い買い物ができた。